11・4東京・後楽園ホール「WHO’S NEXT8」(U-NEXT)
▼日本フライ級タイトルマッチ 10回戦
王者・飯村樹輝弥(角海老宝石) 3-0 12位・村上勝也(名古屋大橋)
※3者とも99-91
▼日本ウェルター級挑戦者決定戦 8回戦
1位・豊嶋亮太(帝拳) 2-0 2位・石脇麻生(石田)
※76-76、77-75、78-74
▼日本ライト級挑戦者決定戦 8回戦
1位・三代大訓(横浜光) 3-0 2位・浦川大将(帝拳)
※78-74、78-74、79-73
▼8回戦
日本Sフェザー級3位・波田大和(帝拳) 5回40秒TKO リウ・ビャオ(中国)
日本Sバンタム級5位・池側純(角海老宝石) 6回1分2秒TKO 岸根知也(ミツキ)
富岡樹(角海老宝石) 2回3分9秒KO トンテップ・テーヤウォン(タイ)

メインは飯村が初防衛。アマ経験ある妻がセコンドに入った王者は出てきた相手に絶妙なタイミングで当て、初回から挑戦者を翻弄した。3回、打たれても前進を止めない村上だが、隙があると飯村の右ストレート、左ボディ。5回に入っても、かまわず手数を増やした村上だが、途中採点は49-46、50-45、50-45で明白に王者リード。
後半、足を使いながらクリーンヒットを決め続けた王者だが、気持ちの切れない村上に試合は長引き、9回は村上が左フックからラッシュをかける場面もあった。最終回、一発逆転を狙ったチャレンジャーの右フックがあったが、王者はピンチを作らせず試合を終え、「まだまだ課題の残る試合ですが、ひとまず初防衛できて良かったです。目標はここではないので、世界に挑戦できるように勝っていくしかない」と言った。

パンチが軽いところがあるだけに、もう少しストップを呼び込むような場面も見たかったが、身体能力の高さを見せつけた。挑戦者は攻め姿勢を貫いたフルラウンド、完敗だが価値ある挑戦だったと思う。

豊嶋は激闘で挑戦者決定戦を競り勝った。先手で出てパンチのある石脇と相打ちも辞さず、近距離の打ち合いでの強烈ボディなど見せたが、石脇も怯まず。後半に入って頭を付けての打ち合いは豊嶋が押していたが、強引に行った分、被弾もあった。6回、石脇が足を使ってリズムを取り直すと、豊嶋の圧力が減り、7回も石脇の手数が増えていた。最終回、豊嶋がタイミングの良さで丁寧に戻し、最後まで引かない石脇に強打を当て合った。判定は2-0。フィジカルの強い者同士、互いに弱みを見せない熱闘だったが、豊嶋が要所で巧さを見せていた。

三代は貫禄の日本挑戦権獲得。距離を詰めてきた浦川に付き合いながらも左ジャブ、相手の右がヒットしても下がらず近距離の連打で応戦した。3回も強気に前に出てパンチの多彩さを見せつけ、その後も強弱の付け方やタイミングの良さで相手を後手にさせた。後半、浦川のプレッシャーが落ちると得意のジャブをバンバンと当てて本来の強みも発揮。7回、浦川も右目を腫らせながら大きな右でやり返していたが、8回に三代がラッシュをかけ挽回を許さなかった。韓国での不調がウソのように自在な試合運びを戻し、強気の接近戦もコンディションの良さを物語った。

前座、波田は序盤、しっかりしたワンツーで先制。これに距離をとってのジャブから左でパンチのあるところを見せたリウだが、3回はより幅広い攻撃のある波田が連打を決めた。5回、左を効かせての連打から右フックで相手の大の字にさせた。非常に丁寧に戦って確実にノックアウトに繋いだ試合だった。(片岡亮)

7月に日本王座を奪取した飯村の初防衛戦が決定。2つの挑戦者決定戦と併せて行なわれる。
飯村は、まだ4勝(1KO)1敗の新鋭、25歳。カネロの下で練習したりメキシコ仕込みを売りに、21年にB級デビュー。3戦目で元日本王者の奥本貴之に勝利の金星を挙げた。しかし、昨年10月、ホルヘ・リナレスとフルラウンド戦ったマイケル・ドミンゴの息子、エスネスとの対戦では相手の強打に3度のダウンを喫し、TKO負け。パンチのフォームは美しいが、ディフェンスに課題があった。それでも再起戦で永田丈晶に挑み、2-0の判定勝利。個性的な出入りの相手にハイペースで応戦、スタミナに自信のある王者との激闘を制した。
挑戦者は「日本ランク拡大」で13位の村上が選ばれた。14勝(3KO)2敗、29歳。19年に井上夕雅に敗れたが、その後は6連勝中。前回4月、白鳥光芳を下した試合は、相手をよく見て、引きながらジャブ、ストレート。相手の接近戦に付き合ってしまったが、それでも大差勝利でチャンスを得た。
ウェルター級の挑戦者決定戦は、元東洋&WBOアジア王者の豊嶋(17勝(11KO)3敗1分)が、1月に佐々木尽に敗れてからの再起2戦目となる。相手の石脇は12勝(8KO)6敗1分、昨年の韓国遠征で判定負けがあったが、2連勝で勝負に出る。フィジカルの強い豊嶋をどう揺さぶるか。ちなみに日本王者は坂井祥紀。
ライト級は元東洋太平洋王者の三代(13勝(4KO)1敗1分)が韓国遠征での敗北から再起2戦目。かつて伊藤雅雪や木村吉光、西谷和宏を連破した勢いを取り戻したい。相手の浦川は9勝(6KO)1敗、20年の全日本ライト級新人王。4回戦時代に齋藤眞之助に敗れたことがあったが、前回2月はその齋藤にKOリベンジ。基本に忠実なタイプ、大物相手に引き出しを増やして見せたい。(片岡亮)9/22
コメント
この興行 #-
2023/09/22 編集返信ちなみに村上の所属ジムは名古屋大橋ジムですが神奈川の大橋ジムとは一切関係は無くてただジムの会長が同じ大橋姓(元OPBFスーパーバンタム級王者大橋弘政)なのでそういう名前になっただけなんですよね。
B.B #-
2023/10/01 編集返信当時はユーリ選手がチャンピオンだったことや所属ジムの主催興行との兼ね合いなどもありましたが、チャンスに挑まなかった感がありました。
決定力はありませんが長身長腕はこの階級で大きな武器ですし、矢吹選手のスパーリングパートナーを務めた経験もあるため飯村選手に気後れすることもないと思います。
ハナ #-
2023/10/29 編集返信始まったんですが、
いきなり1試合目が、富岡とまだ二十歳のタイの人みたいですが、
・・・大丈夫なんでしょうか(不安
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信初回、L字ガードから繰り出す富岡のジャブが面白いようにヒットし、トンテップがダウン。
2Rも富岡のジャブから左ボディーブローが決まり、トンテップがこの試合2度目のダウン。立ち上がったがレフェリーが10カウントを宣告。富岡のKO勝ち。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信もう頭一つ小さいタイの人が、もうジャブで小突かれただけで1Rからダウンして、
結局2Rでボディでストップで、
富岡には4年5か月ぶりのKО??
なんだそうで・・・・
・・・・・・・・
とりあえず富岡は復帰オメ☆(緩祝
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信再開させても大丈夫なんでしょうか(不安
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信2Rから打ち合いの場面が増えたその刹那、バッティングにより岸根がダメージを被った為一時中断、岸根は左頬部からの出血。10-9池側
3R、岸根の動きを見切った池側のカウンターがうまくヒット。10-9池側。
4R、前に出る岸根だが、動きが直線であるため、池側のカウンターを浴びる。距離も池側が制圧している。10-9池側。
5R、池側の一方的なラウンド。岸根は自分の距離が掴めず、池側の連打を浴びる。
6R、開始早々、池側のワンツーから右の突き上げるストレートで岸根がダウン。試合再開後に連打をまとめたところでレフェリーがストップ。池側のTKO勝ち。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信思いっきりダメージ貯めそうなくらい方でおっかなかったですね。
しかし池側はすげえいいタイミングでカウンターの当て勘があっていいですね。
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信最近の中国選手は本当に侮れませんが、
波田相手にどうなるのか興味深いですが(津々
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信いやあ、
マジで中国ボク界のレベルの上がり方は驚異的だなあと。
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信歴代王者紹介後のメインは、天心なんだね。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信かませに全勝チャイナにKO勝ち!
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信初回、右のリードを差し合う静かな出だし。手数で波田。10-9。
2R、やや動きが固い波田に対し、リウの方が動きはスムーズ。リウのパンチがヒットするが、ラウンド終盤に波田がパンチをまとめる。10-9波田。
3R、波田が左ボディーを好打し、リウがロープ際へ後退。その後も波田の強いパンチがリウを襲う。リウの左眼瞼部から出血。10-9波田。
4R、リウは手詰まりとなったか。手数が減って来ている。波田のペース。10-9波田。
5R、波田が左カウンターでロープに詰め、右フックでリウが強烈なダウン。レフェリーがカウントの途中でストップを宣告。波田のTKO勝ち。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信波田 陽区にも似てるんですがw。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信最後は自力で波田が勝ちましたが、
でももう中盤まで普通にやりあってるレベルで、
最近の中国選手たちって、テクモやる気もすごくて、
・・・それこそボディでやる気なく負ける人とか皆無だし(泰悶、
これは、この調子で1~2年後には、
もう日本側も相当なレベルの選手が相手しないと、日本のリングで中国選手に負けまくり☆
なんて未来もあるんじゃないかとか(憂悶
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信伸びる左ストレートが波田選手を度々ヒットしており、いい選手だと思いますので、今後が楽しみな選手です。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信私の本日一番の注目カードです。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信今→日本、中国、比国。
中国に、暫定だけどH級王者がいるのがポイント高い。
韓国は南北統一完全体コリアになれば
ワンチャン再浮上?。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信・・・しかし三代もちょっと反応悪くなってる??
こんなに無造作に食らってただろうかと。
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信やっぱ相手がデカいんで、三代もどうしても威圧感で押し返さないと??
って意識になってるんで、
もう正面から打ち合いで、結構まともに食らってますね。
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信ここまでは私はフルマークで三代選手です。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信・・でも以前はこんな打ち合ってこんな食らい方してたかなあと(憂悶
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信三代、痛めてる右目に集中打。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信にく #-
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信マーチンだから止めるんじゃ??
と思いましたが、
・・・やっぱ帝拳選手の浦川なんで遠慮したんでしょうか(忖度爆
しかし三代は・・・
ライトでやって行く以上、今後もこんな感じである程度強引に出ないといけない感じになるんですかね。
それこそライトウォーズで、伊藤と吉野とやるためにライトに上げたけど、
・・・やっぱベストの適正階級はSフェザーだったんじゃないのかなあとか(憂悶
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信これぞボクシングの醍醐味だと思います。
これだけの技術があるのに何故、前回、韓国の選手に負けてしまったのか不思議です。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信距離感が掴めないから正面攻撃が増えてきてるのでは?勘違いだといいのですが。
網膜は栗 #-
2023/11/04 編集返信一方の石脇選手は離れて闘いたいところですが、豊嶋選手のプレスが強く、近い距離での闘いを強いられています。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信お互い気持ちが強い、いい試合でした。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信しかし豊嶋も、長濱に別府くんにショーキを1年で3タテしてた頃に比べると、
堅実になって勢いは落ちてますかね。
・・・まあ佐々木尽にあの負け方なんで、多少は勢い落ちるのもやむなしでしょうが(斟酌悶
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信・・・いやUネクストが硬派な中継やるのはいいんですが、
有料でこのそっけなさで、
果たして新規のお客さんとか増えるのだろうかとか(不安
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信名古屋にアジア2冠が揃う。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信村上選手としてはこれを貰い続けると厳しいです。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信なんか星野敬太郎みたいな巧みさですが(懐想
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信村上は特にダメージもなくピンピンしてるし、
今まで1KОしかないってのは、パンチはあまりないんですかね。
宇弓 #LkZag.iM
2023/11/04 編集返信打ち合いのシーンでも、村上選手に比べて飯村選手のパンチは全て内側から入っているのが印象的です。
私はここまで飯村選手のフルマークです。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信採点
飯村3-0村上
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信村上選手も最後まで攻め続けましたが、村上選手にとって飯村選手は相性が悪すぎました。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信嫁さん共々おめでとう。
村上、お疲れ様。
桑原は興味ないようだけど、
アジア3冠戦期待。
kaiスタイガ #-
2023/11/04 編集返信まさに飯村選手の横綱相撲でした。
まるでプロで40戦以上戦っている、ベテランのような試合巧者ぶりです。
日本人選手ではあまり見ない、中南米のボクサーのような”上手さ”を持つ選手です。
今後の活躍がとても楽しみです。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/04 編集返信魅せすぎている感もありますが、今後洗練されていくと世界に届く可能性のある日本チャンピオンですね。
村上選手を応援していました。結果は残念ですが終盤の攻めは今までにない闘志を孕むものだったように感じています。タイトルマッチを経験しての再起が楽しみです。
ハナ #-
2023/11/04 編集返信まあ次戦はCCの指名試合だと思われるのでその場合の相手は小坂と井上夕のどちらかとの試合になりますがどちらもKO率は高くないので昨日の試合みたいに手堅く防衛するのではと思われますね。
B.B #-
2023/11/05 編集返信アマではヘビー級メダリストや(現プロ世界王者ですが)
連続金メダリストを輩出しているし、最近のアマ事情はわかりませんが
既にかなり層が厚いかもしれないですね。
即プロというよりアマ経験者が多いのですかね。
先日の日中対抗戦もプロ戦績のわりにしっかりした技術の選手が多かったあたり
アマ歴もあったのでしょうか。(キック出身もいたようですが)
カル・セッチー #-
2023/11/05 編集返信ドミンゴ戦の2人が倒されるまでの内容は飯村より富岡のがよかったので
技術的に対応できるかと。富岡最大の欠点の打たれ脆さもパンチはない飯村ならなんとかなりそうですし。
カル・セッチー #-
2023/11/05 編集返信お互い豊富なアマチュアキャリアで培った、スピードあふれる技術戦が展開されるでしょう。
飯村選手の発達した広背筋を見ると、パンチ力は間違いなく有る筈ですが、”押す”ような打ち方が災いとなっている気がします。
ちなみにドミンゴは、11日に名古屋で岩﨑圭祐選手と対戦しますね。日本人キラー健在なるか。はたまた岩﨑選手が一蹴するか。こちらの試合も注目です。
春田真人 #oFnKZNMw
2023/11/05 編集返信