9・23米・オーランド(DAZN)
▼WBCシルバー・WBO北米Sライト級王座決定戦 12回戦
WBO5位・リチャードソン・ヒッチンス(米国) 3-0 WBC6位・ホセ・セペダ(米国)
※120-108、120-108、119-109
▼10回戦
コナー・ベン(英国) 3-0 ロドルフォ・オロスコ(メキシコ)
※99-91、99-91、96-94
▼3団体世界女子ウェルター級王座統一戦 10回戦
WBO王者・サンディ・ライアン(英国) 1-1ドロー WBC・WBA王者・ジェシカ・マッキャスキル(米国)
※93-97、96-94、95-95
▼10回戦
WBAミドル級2位・オースティン・ウィリアムス(米国) 3-0 スティーブ・ロールス(カナダ)
※3者とも97-93

結婚式場ぐらいの小会場。DAZN中継では解説者がベンのドーピング問題の説明もしていて、こういうところは米英の中継はまとも。互いに「レベルの違いを見せる」と言ってのメインは大股で低く構えた左強打狙いのセペダに、オリンピアンのヒッチンスが手数少なく距離キープ。3回、ジャブを出し始めたヒッチンスだが、ディフェンス重視。セペダはリードからのボディが入れそうだが、狙いすぎ。後半に入っても攻めを強めないヒッチンスと、そのジャブに合わせられないセペダ、という盛り上がらない試合。実況採点はヒッチンスにフルマークを付けて最終回へ。逃げるヒッチンスにブーイングが飛んで終わり。

ドーピング男のベン、初回から強打を振って右ボディをヒット。臆せず出てジャブを打ってくる相手に左フック。オロスコは強気に攻めを継続、強い右もヒットさせた。2回もオロスコが右フックのヒットでベンを後退させた。一発のキレはベンだが、手数と攻め姿勢はオロスコ。3回、相手の打ち終わりに左を効かせたベンが、攻勢にまわったがオロスコも反撃でロープに押し込んだ。ベンはリングを回ってカウンターチャンスを狙う形になっていき、試合が長引くとオロスコの手数も落ちたが、ベンも待ち姿勢での一発狙いでフルラウンド。判定は大差。主催者的にはKOを見せたかっただろうが、こういうとき、いかにもタフなメキシカンで試すのは、むしろ期待が大きいからだろう。ただ、ブランクの影響も感じられた試合。

女子戦、力強いジャブ、ストレートから入るライアンに、マッキャスキルは後ろ重心からの強打。次第にゴツゴツした打ち合いが見られたが、マッキャスキルは頭を下げてよけるところを打たれた。マッキャスキルの連打反撃をライアンが巧みなボディワークでかわし、よりボクシングをしている英国人のうまさがあった。7回、ボディを増やしていったライアン。マッキャスキルはヒット精度が悪く、意気込みが空回り。9回に激しく打ち合いで、パワーが売りのマッキャスキルが押されていた。
しかし、判定はまさかのドロー。最初にマッキャスキルの支持ジャッジが伝えられたときにブーイングが起きており、実況も異議を唱えていた。
採点表、米国3者ジャッジによる一致は2、4、9回がライアン、3回がマッキャスキル、この4ラウンズのみ。少数派となったのはマッキャスキル勝利としたマーク・ストレイサンドが8回をマッキャスキルに付け、ライアン勝利としたマイケル・ロスが1、6回をライアンに付け、ドローとしたバリー・リンデンマンが5、10回をライアン、7回をマッキャスキルに付けた。
ライアン 「何と言ったらいいのか、人生最大の試合で、人生が変わるはずでした。再戦できれば。みんな見たいと思っているのでは」
プロモーターのエディ・ハーン氏 「ライアンが勝っていました。マッキャスキルの97-93はおかしいです。ジャッジは選手の大事な瞬間を奪っているように感じます。恐ろしいですね」
メインもセミもパッとせず、興行としては残念。(片岡亮)
セペダ 「相手の試合を見たけど、才能ある選手だと思う。でも、まだこっちのレベルにはない。だからこそ、こういう舞台で仕事ができるか試してやろう。レベルの差があるんで。初めて世界戦でホセ・ラミレスとやったとき、レベルが違うと分かった。それを見せたい」
ヒッチンス 「レベルが違うと言われたけど、俺は22歳でプロ10戦のキャリアで元世界王者のアルヘニス・メンデスにも勝っている。セペダが勝った相手はみんなスキルの低い選手ばかり。ラミレスとやったことなんて関係ない。俺が16戦のキャリアでここに来たのは理由がある。それを見せよう。俺はミスを犯さない」
フロリダ興行、前座でドーピング陽性となったベンの復帰戦が急きょ発表された。
ベン(21勝(14KO)は元2階級王者ナイジェル・ベンの息子で、16年プロデビュー、21年に元世界王者クリス・アルジェリに勝利するなど順調に白星を重ねウェルター級世界ランカーとなっていたが、昨年10月に組まれた2階級上クリス・ユーバンクとの試合前、ドーピング陽性が判明。注目マッチだったため、主催者もコミッションを批判し、強行しようとしたほどの騒ぎとなったが、結局は試合中止。検査結果が国際団体VADAによる検査で、イギリス国内規定のUKADの検査では陰性だったことから処分を巡る論争も起こったが、ベンは処分を受ける前にイギリスのライセンスを放棄してしまった。そのため英コミッションはベンを呼べないままの調査になってしまった。
2度の検査で陽性があったベンには厳しい見方があったが、人気選手とあってプロモーターのエディ・ハーン氏は国外での試合復帰をはなから公言していた。WBCも独自調査で「故意の薬物使用ではない」と勝手に結論付けて一時ランクに戻す決定を下していた。英コミッションは「調査を拒否してライセンスのない状態での決定はおかしい」と抗議、長い調査の末、4月にUKADが正式に違反を起訴。英コミッションはベンの資格を停止していたが、現在は処分の暫定解除に控訴中。
結局、プロモーターは国外アメリカでの復帰戦を組んだ。ハーン氏は、「ベンはビッグマッチの準備ができていますが、まず復帰戦を喜びたいとした。
「(アメリカで)試合する許可が出ているので、やるんです。みんなコナー・ベンの復帰に興味があるはず。この試合後、12月にビッグマッチを組む予定です。イギリスでも試合はできるでしょう。もう処分はないんです。アメリカのコミッションも、イギリスでやれないなら出場させる決定はしないはず。ベンはテキサス州コミッションでライセンスを取れましたし、キャンプ中、複数の検査もしました。だから次の試合はイギリスでやりたいです。これからベンは悪役みたいになると思います。僕らはみんな彼の無実を信じていますが、信じていない人もたくさんいます。彼を愛するか憎むかは別として、この十字架を背負ってやっていくんです。それを大変だと言う人もいるでしょうし、同情する人もいるかもしれない。でも、人がどう思うかを気にしていたら、人生で何も達成できないと思いますし、いま彼は自分のキャリアに集中しなければならない」
相手のオロスコは、32勝(24KO)3敗3分、24歳。15年にライトフライ級からキャリアをはじめたが、17年にはライト級で戦っており、翌年から13連勝していたが、昨年13勝無敗の相手に判定負け。以降、無名相手に2勝している。
物議を醸すベンの復帰、長い時間が経過しているため不透明だったことも終了か。抵抗した方が得、みたいな例になったようにも思うが、別の英プロモーターのフランク・ウォーレン氏は、「なぜ違反薬物が体内にあったかを説明する公聴会でベンは出ていない。何の説明もしていない。本来そのプロセスを踏むべきでしょう。敵の選手だからそんなことを言っているわけではありません。この1年で起こった騒動の曖昧でナンセンスな話がボクシング自体をイメージダウンさせているからです。彼が薬物をやっていないと主張するなら、ちゃんと公式の弁明をすべき」と言っている。(片岡亮)
ベン 「俺は戦績でも精神的にも無敗。この試合で勝って、ウェルター級からミドル級の連中にアピールする。そこにいる連中をみんな倒そうとする男の決意を見せる」
オロスコ 「僕が待ち望んでいたような試合。人生を通じてこういう瞬間のために準備してきたので急なオファーは関係ない。コナーは間違った相手を選んだことを見せてやる」

フロリダ興行、メインはリオ五輪出場(ゲイリー・アントゥワン・ラッセルに敗北)に出たエリートで、プロ16勝(7KO)無敗のヒッチンスが世界ランカー対決。IBF北米王座1度防衛、同王座を含めた3冠戦となる。相手のセペダは37勝(28KO)3敗、3度の世界挑戦経験があり、敗北はそれだけ。昨年、WBC王座決定戦でレジス・プログレイスに11回KO負け、3月に再起戦を勝利。
女子統一戦、マッキャスキル(12勝(5KO)3敗)はウェルター級4団体王者となっていたが、前回11月にスーパーライト級のシャンテル・キャメロン4団体戦を戦って敗北。IBFとWBOがはく奪となったが、2冠を保持。最近の世界女子では珍しくパワーラッシュで勝ってきたタフな選手。相手ライアンはアマエリートから転向でプロ6勝(2KO)1敗、前回の王座決定戦でWBO王座獲得し、前王者と対戦する形。相手の強い押しをしのげるか。(片岡亮)9/17
コメント
コナベン→灰色復帰、
サーマン→前代未聞試合サボってWBC1位からランク外へ。
バージル→病気でキャンセル続き、なのに依然WBA1位・・・。
まずはコナベン一歩リードw。
kaiスタイガ #-
2023/09/21 編集返信…イギリスのコミッションはまともなことを言ってる感じがするのがまだ救いです。
興味があるのはこんなドーピング問題をうやむやにする。ベンやエディハーンのこと。
あれやこれやと話をごまかす、マッチルームの試合ももプロボクシングではない、プロボクシング風のイベントな気がして、見る気がしない😡
本当の強さって何ですか #-
2023/09/22 編集返信渡邉 一久!??
K8augPj6 #K8augPj6
2023/09/23 編集返信M級のプロスペのサウスポーAウィリアムス、
格下相手に手こずり気味。
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信Aウィリアムス、UD勝ち。
続いて
女子→コナベン→メインの予定。
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信思いきや辛くも△。場内ブーイング。
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信サニーと、やっぱり兄フランコに似てるバムが
フェイスオフ&インタビュー
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信sugaアール #o4trAv4o
2023/09/24 編集返信復帰戦UD勝ち。
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信同じ階級のチャンピオンとやれば誰とやってもそこそこやりそうですが、パワーが感じられ無いのでロメロにも勝ちきれるイメージは個人的には湧きません!
アンディもこの辺りの選手ならいい勝負できそうな感じしました。
sugaアール #o4trAv4o
2023/09/24 編集返信あとCFOとWBAも、
ゴールドとかつけてやれよw。
さてなぜか独配信が中止のようですが、
残る2つのマイナー興行、スキップ視聴w。
(当初4連チャン配信予定だった)
kaiスタイガ #-
2023/09/24 編集返信