10・21英・リバプール(DAZN)
▼WBCインターコンチネンタルSライト級タイトルマッチ 12回戦
王者・ジャック・カテラル(英国) 3-0 ホルヘ・リナレス(帝拳)
※117-111、116-112、116-112
▼10回戦
ピーター・マクグレール(英国) 3-0 フラン・メンドサ(コロンビア)
※99-91、99-91、97-93
▼コモンウェルスSフェザー級王座決定戦 12回戦
リース・ベロッティ(英国) 8回終了TKO アキブ・フィアス(英国)

リナレスは最近の敗戦時よりモチベーションを感じさせる機敏な動きで向かい合ったが、ただし相手のロングストレートへの反応はいまひとつで、カテラルのヒットが先行。サウスポーのカテラルは引いて左を伸ばす懐の深いスタイルを崩さず、回転力を生かしたいリナレスにはやりにくかったが、2回に早くもロングフックを交えるベテランらしさを見せた。しかし、クリーンヒットは相手の左ストレートにあり、5回、これが効いたリナレスはロープまで後退、ラッシュされかけた。
持ち直して戦えたリナレスだが明確な攻略パターンを作れずに8回も相手の左を連打されて下がった。相手のマイペース堅持に手数もヒット数も伸びないまま、試合は最終回に入り、リナレスはハイテンポの体裁きだけは続けたが、安全運転気味に軽いロングジャブを放つカテラルを崩せなかった。

難攻不落タイプのカテラルに対し、リナレスはコンディションこそ良かったが、瞬発的な攻防で全盛期のキレが見せられなかった。スコアを聞く前から笑顔だったリナレス、悔しさを見せず勝者を絶賛していたのが、まさに晩年の試合ということを表しており、そのとおり試合後、引退を表明した。
カテラル 「やろうとしていたことを何とかやり遂げて勝てました。もっと行くべきだったでしょうが、ミスできなかったんです。ホルヘとのこの12ラウンドは、より大きな試合に向けての力になります」
リナレス 「相手は実質、世界チャンピオンですから尊敬しています。負けたことは気にしていません。どう負けるか、誰に負けるか、なんです。連敗しましたけど、この相手に負けたことは素晴らしいと感じます。彼は新世代の世界チャンピオンです。僕はもう戦う必要はないですね。この試合にとても満足していますから」

日本で試合をしたことがあるマクグレール、プロ8戦目で17勝無敗のメンドサと対戦。初回、近距離カウンターでグラつかされる場面があったが、中間距離をとって上下に動き相手の隙を探すスタイル、手数が伸びにくいが、相手も試合を作りにくい。タイミング勝負となった中、先手は取ったが相手にパンチがあるため、圧倒できずにいたが、終盤は相手が疲れを見せて攻勢は印象付けた。(片岡亮)
カテラル 「陽の光に当たってきたリナレスだけど、今度は僕の番。相手は元3階級王者、甘く見ていません。勝者がさらにビッグマッチに出られるんですが、土曜日に彼に勝たなきゃ意味がないです」
リナレス 「引退に近づいていますが、前のイギリスに来たときよりも良い状態です。気分は20歳、モチベーションは7、8年前のレベルです。連敗中の再起戦だからこそ大事です」

11000人収容のリバプール・アリーナ開催のリナレスの試合、オンライン記者会見があった。プロモーターのエディ・ハーン氏は、「リナレスは何度もイギリスに来ていますが、ここでは、まだ誰も彼に勝っていません。でも、今回、リナレスはスーパーライト級で大きな勝負に来ました。その練習の激しさは、かなりハングリーなファイターのようです。そして、本来なら統一王者になっていたはずのカテラル、来年の世界戦に出る前にビッグネームと戦います」と述べた。
カテラル 「数週間前にオファーがあって、即、サインして!と言ったんです。僕は楽に白星を重ねようなんて思っていません。ボクシングでどれだけやれるかを試したいんです。ワクワクしています。リナレスの練習を動画で見ましたが、かなりのやる気が見えました。それで僕もさらに一生懸命やるようになったんです。リナレスは将来の殿堂入り選手、先のことを言うような失礼なこともしません。マネージャーにも話題集めの口論とかせず、100%、リナレス戦に集中すると言ったんです。勝つために全力で練習します。だから、この試合がエキサイティングだという理由になります。リナレスは僕たちの国で勝ってきた選手、今回は僕がこの縄張りを守ります」
カテラルのマネージャー、サム・ジョーンズ氏 「以前、リナレスのキャンプに行ったことがあって、いかに彼が熱心に練習するか知っています。彼は敗北も経験して、それがモチベーションになっていたのも知っています。どんな人か知っているんです。いつもは対戦相手の側とバチバチやりますが、リナレスにはできません。かなり尊敬しているからです。僕がこれまで会った中でも最高の人のひとりで、レジェンドですよ。ただ、カテラルはリナレスの練習をちょっと思い出すんです。集中力があって、規則正しい生活をして、一生懸命に練習する。今回、若いライオンと年老いたライオンの戦いで、カテラルの時代が来たと思います。彼はこの階級で最強と思います。でも、リナレスは世界中、誰にとっても難敵。彼がイスマエル・サラスとまた組むと聞いて、これは勝負に出たなと思いました。これはガチンコです。サラスは、リナレスが終わった選手と思ったら受けていませんから、激闘になるでしょうね」
リナレス 「過去、イギリスで素晴らしいファイターと3度、対戦しました。素晴らしい経験だったので、いつもイギリスでまたやりたいと思っていたんです。そこで最高の選択肢がカテラルでした。いま、僕のモチベーションは7、8年前に戻っています。これは本当に重要な試合です。みんなに楽しんでもらえて、自分も楽しめる素晴らしいイベントにしたいと思っています。僕の人生で最もきつい試合になります。勝たなきゃいけない。まるで自分が世界チャンピオンになったような気分です。ベルトを守るためにイギリスに行く感じです。プレッシャーもあります。なにしろ今回は再起戦なんです。この試合に勝てば大きなことになるので、だからこそ、勝つことが一番重要なんです」
リナレスのマネージャー、ロベルト・ディアス氏 「リナレスが引退に近づいていることはみなさん知っていると思いますが、僕は彼を20年前から知っていて、彼はいま集大成を見せようということを大きなモチベーションにしています。それがホルヘ・リナレスです。カテラルは本来、無敗であるべき選手、統一王者だった選手。リナレスは言いました。僕は誰かと戦いたいだけじゃなく、いつも最強の相手とやってきたから行くんだ、と。スーパーライト級で最強の相手とやりたいと彼は言ったんです。カテラルは今回、敗北します」
リナレスの本気度が伝わる会見だった。最近のリナレスの試合は精彩を欠いていたようだったが、今回は目の色が違う。(片岡亮)9/20
3連敗中となっている元3階級世界王者のリナレスは、かつてアウェーの世界戦で3勝したことがあるイギリスに再び飛ぶ。10月に世界ランカーのカテラルとの再起戦を行なう。
リナレスは47勝(29KO)8敗、37歳、ベネズエラ人。07年にWBCフェザー級(1度防衛)、08年にWBAスーパーフェザー級(1度防衛)を獲得後、14年、2位・ハビエル・プリエトとのWBCライト級決定戦に勝って3階級制覇を果たし、その初防衛戦でイギリスに行き、1位・ケビン・ミッチェルにTKO勝利。さらにWBA王者アンソニー・クロラに勝利し、再戦でも大差の返り討ち。このイギリスでの3勝は評価を大いに上げ、アメリカでイギリスのスター選手、1位・ルーク・キャンベルにも防衛したが、18年にスーパーフェザー級のWBO王者・ワシル・ロマチェンコにTKO負け。21年にWBC王者・デビン・ヘイニーに挑んだが判定負けで、その後はロシアで2敗してしまった。それでもライアン・ガルシアやローランド・ロメロを挑発、再浮上を狙う行動を起こしていた。
カテラルは幻の世界王者とも呼ばれる、27勝(13KO)1敗、サウスポー30歳。15年に獲得したWBOインターコンチネンタル王座は18年まで9度防衛。長く世界挑戦を待たされていて、昨年2月に4団体統一王者・ジョシュ・テイラーと対戦、ヒット数はカテラルが120、テイラーが73、ほとんどのラウンドでカテラルが上回ったのに、判定は2-1でテイラーとなり、不当判定との声がかなり上がった。そのため再戦が期待されたが、テイラーはこれを回避してWBO以外の王座を返上。結局、実現しないままだった。5月に久々の試合を行ない、快勝している。
リナレスにとっては年齢的にも、進退を問われる再起戦だが、相手は巧者、カテラルはジャブがうまく、出てくる相手に付き合わないが、勝負どころで倒す左ストレートも持っている。(片岡亮)8/5
カテラル 「リナレスと戦えるのは光栄。イギリスで3度勝っていたレジェンド、絶対に勝たなければならない試合。ビッグマッチを目指していますが、ここで負けたら意味がないので、いまこの段階ではそんなことはできません。僕のキャリアに勢いがなくなっていたのも事実で、最高の自分を見せられると信じてます」
リナレス 「カテラルという強い相手に気持ちが入って、最高のパフォーマンスを見せる準備ができています。 ボクシングのレッスンをし、またイギリスで歴史を作るつもり。 ラスト・サムライが過去最高に強くなって帰ってきます」
コメント
いずれにせよ今のリナレスには荷が重い相手で、高級噛ませみたいになってるのが悲しいです。
か #9fn0MV6o
2023/08/05 編集返信相手はサウスポーという事で、ロマチェンコを倒した右ショートカウンターが炸裂することを期待!
p.s.最近リナレスはSNSでワイルダーとかと突然ミット打ちみたいな企画で遊んでましたが、人生は楽しんでいるようです(笑)
sugaアール #o4trAv4o
2023/08/05 編集返信ロマチェンコ戦で引退すべきだった。
7勝1敗 #LJx2DU6o
2023/09/20 編集返信MO #-
2023/09/21 編集返信リナレスの最後の試合になるかも知れないので観戦でしたいと思いますが、起きられるかな?(笑)
sugaアール #o4trAv4o
2023/10/17 編集返信12R持てば御の字かもしれませんね。
B.B #-
2023/10/17 編集返信Sライト級でホルヘ・カノに痛烈にKOされた記憶あるので、私もこのクラス少しリナレスには不利なのではと思いますが、一方でカテラルは上手さや、しぶとさはありますがパンチはそんなにあるとは言えないので、リナレスがスピードを活かしてポイントアウトする可能性もあるかな?と思い直しました。リナレスはロマチェンコも倒したサウスポーに対しての右ショート、左フック顔面で上手く回り込んだり、右ボディアッパー当てるの上手いのでどれだけ食い下がれるか!?期待して見守りたいと思います!
sugaアール #o4trAv4o
2023/10/20 編集返信ロマチェンコ戦が最後と思っていたが、ロシア人に連敗してもなお続けるとは。
7勝1敗 #LJx2DU6o
2023/10/20 編集返信年齢的にもサイズ的にもスーパーライトは厳しそう
p4p #-
2023/10/20 編集返信ロシアでの試合は元3階級王者に相応しいマッチメークじゃなかったと
思うけど、ボクサーの引き際には比較的厳しめのセニョールが何も
言わなかったとは思いにくいけどなあ。
ヘイニーに負けた時が引き際だったと思いますね。
ハイロ67 #-
2023/10/21 編集返信ホルヘは悪く無いですね。サウスポーにも、うまく対応している。
ポイントは向こうに流れているのでしょうが、ほぼイーブンです。サラスがついている。
DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信ホルヘ、かろうじて生き延びた。
kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信レッド #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信よくカテラルを研究してる。
kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信レッド #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信ホルヘ4連敗は引退を意味する。
悔いのないよう全力で。
kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信なんかやりにくそうだったな互いに
若田部ベンチ #-
2023/10/22 編集返信kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信117-111と116-112が二人。
もっと開いているかと思いましたが。しかしカテラルは、このよう内容では物足りない。
DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信DAZN観戦者 #-
2023/10/22 編集返信カリメロ #-
2023/10/22 編集返信この前からDAZN英、出ずっぱりw。
kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信試合はカテロールがリナレスの右を最後までリスペクトして丁寧に躱すディフェンシブな戦いに終始、途中何回かリナレス軽いパンチで効いた表情浮かべて、やはり歴戦のダメージの蓄積は深刻だと感じました。リナレスの反応の僅かな遅れもありましたが、カテロールのポジショニング、ディフェンスがいいのでリナレスはコンビネーション打つタイミング与えてもらえませんでした。
リナレスも終始左右にポジション変えて的を絞らせない戦いを丁寧に最後まで続けてましたが、そこから攻撃に繋げられないのは、やはり反応速度が落ちてるせいなのかな?と感じました。得意の左アッパーも打ってましたが、当たる感じ全くなかったですね。
リナレス最後は笑顔で相手を称えて、その表情にはある意味最後まで戦い切った満足感を感じましたが、一方で勝負師としては終わってる印象も持ちました。
取り敢えずお疲れ様リナレス、今日もボクシングスタイルの美しさはピカ一でした☆しかし致命的なダメージ負う前に引き際は間違えないで欲しいと心から願います。
ちなみに私は116−112でカテロールでした。
sugaアール #o4trAv4o
2023/10/22 編集返信ローカル&ユーチューバー興行カット、
マッチGBP+PBC主要試合ライブなら
月¥1200までは出す!w。
kaiスタイガ #-
2023/10/22 編集返信sugaアール #o4trAv4o
2023/10/22 編集返信カテロールは特別速い訳ではないけど上手くジャブも左も当ててました、技術的なことは分かりませんがタイミングが良いのでしょうかね。
忘れ者 #-
2023/10/22 編集返信それでいい。
2009年、サルガドにまさかの初回KO負けした時の会場の静寂は異様だった。
2013年、コントレラスを1発で沈めた右カウンターは今でも鮮明に覚えている。
アメリカでラリオスをKO、キャンベルにはダウン奪う判定勝ち。ロマチェンコに倒し倒されの激戦。
イギリスでイギリス人相手にしたライト級世界戦3勝2判定勝ち。
もう十分。よくやってくれました。
7勝1敗 #LJx2DU6o
2023/10/22 編集返信ウチの嫁も「このボクサー格好良いよね」っていつも言う。リナレスならしゃあない。
エキマで特集やってくれんかなぁ
リチャード・鉄 #-
2023/10/22 編集返信素晴らしいボクシングを見せてくれてありがとうございます。
心よりセカンドキャリアの成功を祈っています。
p4p #-
2023/10/22 編集返信親日家で強くて男前、そしてナイスガイ、言うことないでしょ。
全盛期のポテンシャルを見ればもっといけるかなと思いましたが、沢山夢を見せてくれました。
ロマチェンコ戦のダウンは興奮しましたね。
ありがとうリナレス!次のステージでも成功を祈ります。
ジャマイカのbtn #-
2023/10/22 編集返信非A #GxAO5jdM
2023/10/22 編集返信本当の強さって何ですか #-
2023/10/22 編集返信あの敗戦が無ければ、名王者内山高志も誕生しなかったと思うと複雑だが。
アミール・カーンと同じく世界的なスターにはあと一歩及ばなかった印象だが、日本人ならSフェザー級〜Sライト級のどれか1つでも獲れたら凄いワケで、それを全部制覇したのはやっぱり自分達日本人から見たら超人ボクサーだった。
神戸ワールド記念ホールで、一瞬すれ違った時は本当に興奮した。ファンとして話しかけられなかったのは心残りだ。
何はともあれ、お疲れ様。
引退後は帝拳ジムでトレーナーをやってくれねェかなァ。
浪速のドサ拳 #8l9HHIlM
2023/10/22 編集返信デビュー間もない頃、G+で高速ワンツーや華麗なフットワークを見て
長期政権を築けるのでは?と思ったものですが、撃たれ脆く
山あり谷ありでしたね。
初めての世界奪取(確か海外挑戦)の時、コーナーに駆けあがって「やったー」と
日本語で叫んでたこと、覚えてますよ。
第2の人生も頑張って下さい。
浜田ファン #-
2023/10/22 編集返信また1人、大好きなボクサーが引退してしまった…
長く楽しませてくれて感謝しかないです。
おつかれさまでした。
最後にもう一度生観戦したかったなぁ…
イブラ #-
2023/10/23 編集返信アンチ0人説、本当みんなから愛される選手。
第2の人生もやったーとなりますように。
あおのじ #P8Kib52A
2023/10/23 編集返信カリメロ #-
2023/10/23 編集返信最後は、4連敗でフィニッシュってのは残念ですが、
ボクシングが好きで自身の可能性を信じ続けたからこそ、
連敗しても続けてたんでしょうね。
スピードとキレの有るボクシングスタイルは格好良かったし、
最初のWBCのFe級暫定王座をラリオスをKOして取った時は、何階級を制覇して
どこまでイケるのか?と期待しか無かったですし、サルガドにまさかの
1RKO負けを喫した時のガッカリ感や、そこから負けを乗り越えての3階級王者は
立派の一言に尽きます。
負けはしましたが、彼のボクサー生活のハイライトはロマチェンコ戦でしたね。
イケると思う場面も有り、最後はKOで散りましたが、
決して価値が下がる負けでは無かったと思います。
もし引退式をやるのなら、是非日本のリングでやってくれたらと
思います。
長い間本当にお疲れ様でした。
ハイロ67 #-
2023/10/23 編集返信長い間本当にお疲れ様でしたと言いたいですし、何らかの形でまたボクシングに関わってくれる事を願いたいですね。
B.B #-
2023/10/28 編集返信