ガルシアとデラホーヤ、選手とプロモーターが険悪に論争

　ガルシアはこれに対し、「よく分かった。あなたが俺のキャリアをバカにするのにはウンザリ。信頼も常識もまったくない。みんながそれに黙って従うと思うなよ」と返した。さらにデラホーヤ氏が、前週の主催興行でＷＢＡスーパーライト級王者のローランド・ロメロと接触していたことにも怒った。ロメロは王座獲得後、ガルシア戦を持ち出していて、ガルシアが階級を上げて戦う候補のひとりになっている。

ガルシア　「俺が戦うかもしれない相手と友達みたいに接して、ファイターのことなんか考えちゃいない。そういうインチキな言動には本当にうんざり。ウソつき。一度でも、正直になってみろ。ちゃんと本音を話すなら俺はもっと尊敬できるけど、あなたは何でも金のためにやっているだけ。イヤな奴」

　デラホーヤ氏は、「それはプロモーションでしょうが。デービス戦の前だって、お通夜みたいな空気の中、誰がメディアに喋っていたと思うんだ？　俺の仕事は宣伝すること。君の仕事は戦うことだ」と言ったが、ガルシアは納得せず。本人が嫌がったマニー・パッキャオ戦についてメディアで話したことを持ち出した。「パッキャオ戦なんか宣伝していたじゃないか。そんなことに騙されるとでも思ったのか」

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　このやりとりについて、デラホーヤ氏と同じＤＡＺＮで中継をしている別のプロモーター、英・エディ・ハーン氏も、「なんだこれ！」と苦言を呈した。

「信じられない。こんなもの見たことがない。デラホーヤは当たり屋みたいだ。何をしているんだ？　こんなひどい関係者結局、法廷で終わるだけなのに。やらなきゃいけないのは、仕事上の関係に亀裂が入ったら、ちゃんと修復しなきゃ。そして計画を立てていく。なのに、彼の行動は非合理的。だいたい殺人予告があるなら、むしろ帰らないでしょ。記者や関係者が舞台裏にたくさんいるのだから。油断はできないですけど、そんな不審人物が入れる環境でもなかったですし」

　とはいえ、ハーン氏も所属選手と揉めたことはある。海外のプロモーターや選手は日本よりも好き勝手に話すだけに、トラブルも表になりやすい。ただ、プロの世界は、それも含めて話題性をとるエンターテインメントの範疇でもあるだけに、完全密閉されてしまうよりは各々の立場が分かって興味深いのだが。（片岡亮）