12・3東京・後楽園ホール「DANGAN237」(RAISE)
▼日本ミニマム級王座決定戦 10回戦
1位・谷口将隆(ワタナベ) 10回37秒TKO 3位・佐宗緋月(T&T)
▼WBO世界女子ミニマム級王座決定戦 10回戦
2位・多田悦子(真正) 9回8秒TKO WBC6位・宮尾綾香(ワタナベ)
▼東洋太平洋女子ミニマム級タイトルマッチ 8回戦
王者・葉月さな(YuKO) 中止 3位・千本瑞規(ワタナベ)
12・3米・ロサンゼルス(NBCSN)
▼WBOインターコンチネンタル・ウェルター級王座決定戦 10回戦
ブライアン・カバージョ(プエルトリコ) 3-0 ラリー・ゴメス(米国)
▼10回戦
WBCミドル級10位・ブランドン・アダムス(米国) 2回KO サニー・デュバーソン(米国)

女子世界戦は、多田がKO勝ち。左ストレートを狙う多田に対し、宮尾は大きなフックを振りかぶり、体ごとぶつかっていった。両者が互いに研究しているために起きる揉み合いで、ともに抜け出せていなかったが、足を使える分、多田の左ヒットが増え始め、9回開始直後、宮尾が左右を大きく振って前に出たところを多田がカウンター、宮尾はバッタリ前に倒れてレフェリーが即ストップ。担架送りに。女子ボクシングでは珍しい衝撃ノックアウト決着だった。多田はパワーを技術で制した形だが、宮尾はスパーリング不足だったせいか、そのスタイルを割り引いても荒く感じた。
メインは谷口がワンサイドで勝利、セコンドに京口紘人を従え、初回ボディストレートで尻餅ダウンを奪い、以降は谷口が左ストレート、ボディを当て続ける展開に。佐宗は必死に耐えたが、5回終了でジャッジ3者フルマーク。谷口は強引にラッシュはかけず、延々とヒットを重ねていたところ最終回にレフェリーがストップした。「伝統あるベルトを後楽園ホールのファンの前で獲れたのが嬉しいです」と谷口。日本ランキングは7名しかおらず、2位は昨年、谷口に敗れている石澤開で、そのまま繰り上がれば1位に。(片岡亮)
ロサンゼルスのメインは、WBC米大陸Sウェルター級タイトルマッチだったが、王者・セルヒー・ボハチュク(ウクライナ)が病欠。挑戦予定だったアダムス(21勝(13KO)3敗)は、昨年チャーロへの挑戦からの再起戦で、新たに11勝(8KO)2敗2分のデュバーソンと対戦。ただ、こちらは11月の8回戦で12連敗となったばかり。(片岡亮)

9月にベトナム・ホーチミンでのWBO王座決定戦が流れた女子の宮尾は、12月に日本で決定戦を行なう。ベトナムではWBOアジア太平洋王者・ティ・トゥ・ニ・グエン(ベトナム)と対戦予定だったが、相手は元世界王者の多田。両者は今年1月に対戦してドローだった。
宮尾は23勝(6KO)8敗2分、37歳。12年にWBA王座を獲得して5度防衛し、WBC王者の小関桃との統一戦で陥落。16年にWBO王者・池山直に挑んだが、6回に右ヒザ靭帯断裂で無念TKO負けだった。リハビリ生活を経て18年に復帰。池山とのリマッチに勝利しWBA暫定王者となったが、正規王者・モンセラット・アラルコンに1-2で敗れている。1月、WBO王座決定戦で多田とドロー。勝てば約2年ぶり勝利。
多田は19勝(6KO)3敗3分、39歳。09年にWBA王座獲得、WBC王者・富樫直美とのドローを含む9度防衛の長期政権を築いたが13年に陥落、相手のアナベル・オルティスとはリマッチも判定負け。15年にIBF決定戦で3位・カレリー・ロペスに判定勝ちしたが、マカオでの初防衛戦で中国のカイ・ゾンジュに大差判定負け。昨年12月、江畑佳代子からWBO王座を奪ったが、防衛なく返上。同僚の佐伯霞に王座決定戦をやらせるためだったが、その佐伯が出産返上。同じ王座を宮尾と争うも引き分けた。
前回の対戦、多田が前に出てワンツー、これに宮尾がボディで対抗し、足を使いながらロングでヒット、6回まで採点はジャッジ3者57-57で、その後も互いの駆け引きが続き、緊張感はあるが明確に見せ場を作れないままだった。スタイルが変わらなければ、多田のワンツーと、トリッキーに動く宮尾というのが基本線になりそう。(片岡亮)10/20
日本ミニマム級は田中教仁が王座返上した後、、昨年9月の挑戦者決定戦に勝った1位・谷口将隆が王座決定戦に出場となったが、2位・平井亮輝以下、7位までのランカーが全員出場を拒む珍事態があり、谷口は東洋太平洋王者のリト・ダンテに挑戦する形で、これが外国人相手なのに日本王座決定戦も兼ねるということになっていた。しかし、3月17日に予定された試合は新型コロナウイルスで延期。皮肉にも外国人を容易に呼べない状況で、マッチメイク自体が白紙になった。そこで今回、決まったのが谷口と3位・佐宗による12月の決定戦である。
谷口は12勝(7KO)3敗、26歳。アマエリートだが17年に日本人選手と初対戦となった日本王座決定戦では小西怜弥に判定負け。無名アジアンに2勝してから出場した東洋太平洋王座決定戦でも小浦翼に判定負けだった。再び無名アジアンに2勝、タイでWBOアジア王座決定戦に勝利。世界挑戦の条件を満たしたことで昨年2月、WBO王者ビック・サルダールに挑んだが、試合前「どんな展開になっても問題ない」と豪語していた内容を見せられず大差の完敗。前回、2位・石澤開に判定勝ちで再起、日本王座獲得に王手をかけた。
3月15日の高田勇仁との試合が流れていた佐宗は12勝(4KO)6敗2分、25歳。15年の新人王戦は、東日本決勝で小浦翼に敗北。18年に日本9位・デシエルト長池を下すなど4連勝したが、昨年は日本ライトフライ級ユース王座決定トーナメントで芝力人にTKO負け。その後は2勝1分、前回、高田勇仁とドローだったため、その際戦を予定していたがタイトル挑戦に方向転換した。
前座では東洋女子戦。王者・葉月は8勝(2KO)4敗1分、36歳。17年の日本アトム級王座決定戦は2位・鈴木菜々江とドロー。翌年、再戦して判定負け。再起戦の6回戦もデビュー戦の元アマ・松田恵里に敗北。昨年11月、東洋王者・廣本江瑠香を2-1で下し、今回が初防衛戦。挑戦者の千本は世界ジュニアユース日本代表になったことがある26歳、6回戦でプロ2勝(1KO)。前回2戦目で日向野知恵を下し日本王座獲得しているが防衛なく返上している。(片岡亮)10/17
コメント
試合時代は8:2で谷口が断然有利かと思いますが佐宗も初のタイトル戦ですから奮起して欲しいところでもありますね。
女子の方は年齢とアマの経験値を考えると千本有利と予想します。
B.B #-
2020/10/17 編集返信一度、対戦している石澤を除くと佐宗が一応、最上位なので本来は彼がやるのが責務と言えば責務なんですが。
試合は佐宗の前節がノーランカーの高田相手に引き分けたくらいですし、谷口のKO勝ちが濃厚ですが、そのあと、谷口はどうするんでしょうかね?防衛戦をしようにも対戦相手がいないでしょうし。
コロナが落ち着けばダンテと東洋王座決定戦は組めるかもしれないですが。
返上するかもしれないですね。
返上したらとりあえず、石澤と佐宗で決定戦をやらせてあげてほしい。佐宗もKO負けしたとしても他のランカーが谷口とやることを拒否したのですから、勇気をもって試合をしてもランキング落ちるのは気の毒ですよ。みんなランキング落ちるの嫌だから、谷口とやるのを拒否しているのもあるでしょうし。
ちなみに佐宗と引き分けた高田は10月のランキングに入ってませんね。3位に引き分けたわけですしミニマムはそもそもランカーが定数いってないんだからランキングに入れるべきだと思うんですが。何のためのランキングなのか、いまだによくわからないですね。
光太郎 #-
2020/10/17 編集返信佐宗と引き分けた高田は来月の25日に前日本王者の田中と8回戦で戦うみたいなので世界ランカーが相手ですから高田はこれなら引き分けてもランクに入れるんじゃないんですかね?
B.B #-
2020/10/18 編集返信日本タイトルやれるんならラストチャンスとして死ぬ気で頑張ろう‼︎ 思ってて決まった時は嬉しくて涙が出そうになりましたけど…
まぁ次元の低い話かf^_^;…⁉︎
中野 吉郎 #-
2020/10/19 編集返信B.B #-
2020/10/19 編集返信やってほしいですね。その勝者と重岡弟が3冠かけてやってもいいし。
kaiスタイガ #-
2020/10/21 編集返信谷口と重岡弟は同じジムなので対戦は不可能になりますね。
B.B #-
2020/10/21 編集返信江口以降実の兄弟はやらなくて当然でも
同門対決でさえタブーなのは 善し悪しですよね笑。
kaiスタイガ #-
2020/10/21 編集返信B.B #-
2020/10/22 編集返信落とせないTM。
kaiスタイガ #-
2020/11/27 編集返信B.B #-
2020/11/27 編集返信私が知る中では過去に日本タイトルに挑戦するピューマ渡久地選手が眼筋麻痺で医者にスパーリングを止められていた為、スパーリングゼロのまま岡田明広と試合したと御本人から聞きました。
渡久地選手や宮尾選手のように、かなりボクシング経験が長いベテランならスパーリングゼロでも工夫次第で練習して試合に望めるのでしょうね。
逆に4回戦の選手がスパーリングゼロでプロの試合を行う事ってあり得ない気がします。
13 #-
2020/12/03 編集返信倒された印象が大きいが、
よく持ち堪えましたね
関西 #-
2020/12/03 編集返信世界のボクシングの歴史で見たらスパーリング経験なしでいきなりプロで試合した選手っていそうな気がしますね。
多田選手って以前獲ったベルトを同僚のチャンスのために返上したと上の記事にあるけど、ベルトの価値って軽くなりましたね、、、
カリメロ #-
2020/12/03 編集返信両者とほwboに入ってないけど
何故?
いいんですか?
関西 #-
2020/12/04 編集返信今度は多田も流石に、安易な返上はしないと思いますが。
未だ取れてないWBCは、やはり統一戦でやるべきでしょう。宮尾の為にも。
女子MM級
独でWBCIBF統一戦という話もあったが、難しい模様。
おなじみWBAアナベルは在位9年目。
尚弥でさえ苦労している4団体統一がやれないから制覇って・・・。誰だって簡単な方をやりたい。返上より剥奪がマシ。
kaiスタイガ #-
2020/12/04 編集返信メインは谷口が日本王座2度目の挑戦を10RTKO勝ちで獲得となりましたが今後は日本王座を防衛し続けていくのかそれとも返上して世界を目指すのかが気になるところですね。
B.B #-
2020/12/04 編集返信谷口いい出来でしたね。
このウイルス禍でもきっちり練習やれてる感じで、
まあ相手の佐宗があんま左が得意じゃないのか、正面から左ボデイからストレートからもらいまくってて、ちょっと全R通じて一方的なペースでしたが。
でも去年谷口は石澤開とチャンカ挑決戦やって、判定勝ちしたけど私は石澤開の若さと可能性の方に目を引かれて、
石澤はこの前も1階級上のランカーをKОしてたし、
ここはタイトル賭けてまた再戦してほしいもんですが。
しかしナベジムも色んな面であまりいいことなかった1年でしたが(悶笑、
年の最後に新王者誕生で良かったですね。
昨日は京口もセコンドに入って、谷口も頼もしかったそうで、
京口ももうウイルスが問題ないのならば、早く世界戦やってほしいものですが。
・・・しかし結局年内にはできませんでしたが、
タノンサックのビザも切れちゃうのか・・・(苦渋
宇弓 #LkZag.iM
2020/12/04 編集返信まず、多くのランカーが逃げ、ランキングから落ちるリスクも厭わない中で再上位ランカーの責務を果たした佐宗選手に自分は拍手を送ります。
当たり前と言えば当たり前ですが、それでも対戦したことには僕は意味があると思います。
谷口に関しては場合によっては王座を返上していいと思います。
上にも書きましたが、本来は日本王者として防衛戦を数回はしてほしいですが、これまでの経緯通りだと対戦相手に苦労するでしょうから、もし、相手が決まらなければ返上もしょうがないでしょう。
ベストは東洋王座をかけてダンテですが、コロナ渦の状況を考えると難しい。
世界ランキングを見ると小浦、榮、田中の3選手ですが、小浦は東洋王座を取って且つ谷口に1度勝っているので小浦側にメリットがほぼない、そうすると榮か田中ですが、榮はランキングに入っているので逃げられている可能性がある。となると現実的には田中でしょうか。田中も世界を再度目指すことを考えると一度、谷口とは対戦してもいいと思いますね。
光太郎 #-
2020/12/04 編集返信それ以外では榮は加納に挑む噂が有りますのだそれを考えると田中との試合が一番かもしれませんね、田中も前回の試合勝って日本ランクに入りそうですからね。
B.B #-
2020/12/04 編集返信重岡兄弟は今年0でしたね。
ダンテは重岡兄に負け、
ダンテ×重岡弟or谷口なら
ダンテ×ナベジム抗争ですな笑。
kaiスタイガ #-
2020/12/05 編集返信とりあえずダンテとやるとしたら重岡弟の方が先ですね、重岡弟も現状国内挑戦はWBOしか出来ない身分ですから他の3団体にも挑戦出来る様になっておきたいですからね。
B.B #-
2020/12/05 編集返信kaiスタイガ #-
2021/01/20 編集返信